2016.05.17  再評価
 長男であるがゆえに宿命づけられた家業家督相続。
 23歳のとき、父の突然死によって、京都青物問屋4代目枡屋(伊藤)源左衛門を襲名する。 家業に力を入れることもなく、芸事もせず、酒も嗜まず、生涯、妻も娶らなかった。 しかし、家業の雑役に疲れ2年間丹波の山奥に隠棲してしまったこともあった。
 いわるるボンクラボンボンなのだが、唯一の道楽が画を描くことで写実を越えた観察力の精密画であった。 禅の師であった相国寺の大典顕常から与えられた「若冲」は居士号であり、意味は「大いに充実しているものは、空っぽのようにみえる」である。
 ある日、出会った売茶翁の生き様に感化され、40で家業を弟に譲り、隠居してしまうのである。 そして、画風も広がり、『乗興舟(じょうこうしゅう)』なる拓本版画へのチャレンジです。

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            幅:28.7cm 長さ:11.5m  明和四年(1767年)頃

 淀川幻想絵巻「乗興舟」は現在、京都国立博物館や京博寄託本、他に個人蔵数点の合計10数点が存在してますが、少なくとも4種類の異版が確認できる。 そうだ。
 どれが本物であるかの真贋は若冲さんだけが知っているのかいな?


 アメリカの大富豪のボンボンだったジョー・D・プライス (1929年10月20日 - )は24の時、1枚の墨絵『葡萄図』に出会い、運命が変わりました。 通訳だった日本女性と結婚し、若冲他の江戸時代の日本絵画を対象にする美術蒐集家となるのであった。
 その最大の収集が「鳥獣花木図屏風」です。
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 しかし、これは偽物ではないか?の真贋論があるのです。
 D・プライス氏も購入に当たり、バイヤーからの言葉が残されてます。
 この絵については若冲の作であるとかないとか いろいろな説が飛び交っていますが若冲にしかできなかったであろう技巧が鏤められているんです。
 私が初めてこの絵と対面したときも「若冲ではないと思うよ」と釘を刺されていました。
 しかし、屏風を開いた瞬間に衝撃が走りました。
 私にはこれは若冲の作としか思えないのです。

 ではもう1枚と云うと、静岡県立美術館蔵の『樹花鳥獣図屏風』です。
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 画像の鮮明さはありますが、素人オイラには判断が付きません。
 どちらにしても、若冲さんは凄い! 模写したアンタは偉い!


   OMAKE
 1999年、金沢美術工芸大学・卒業論文に泉美穂さんが「伊藤若冲の「升目画」作品を再考する─西陣織「正絵」との関係から」を発表し、若冲は西陣織の下絵から着想を得、織物の質感を絵画で表現しようとしたと考えられる。との仮説を立てたように、再評価高まる若冲さん人気は盛り上がることでしょう。

   DASOKU
 古来からの書画茶器等の骨董の世界において、真贋論争がまとわりつきます。 オイラは真贋よりもその事実が風化し、名声だけが独り歩きすることに疑問を持つのです。



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