2017.06.14  カゲロウ
 典厩 五郎 (著)  「陽炎の島」 毎日新聞社  2001/5/1

 2000年12月、人生に絶望した映画脚本家が最後に挑んだ大バクチ、現金奪取計画。 1933年3月、飛騨山中に強制移住させられた台湾高山族の末裔が故郷を後にする。
 時代を異にする二つの物語が一つになる時、現代史に翻弄された男女の愛憎の70年が、眼前に広がる。
 著者4年ぶりの書き下ろし渾身作。


 典厩五郎(てんきゅう ごろう、1939年9月16日 - )
 還暦を前にした小説家の渾身作品でした。 デディールにこだわり、歴史スパンの飛び越しが鮮やかな小説でした。

 たとえば、秦の始皇帝に取り入り、不老不死の仙薬を求め、徐福一行は船出した。 和歌山・新宮に辿り着いたとする伝説があるが、目的地は台湾だったのではないか? と唐突すぎるくだりが出てくるのだが「ウンそうかもー」と妙に納得しました。
 たとえば、闇カジノを襲い現金強奪するのだが、裏には組織の権力争いがあり、その組織は裏社会を牛耳る右翼団体の後継者問題が絡んでいた。

 出版社がアジア・ノワールとシリーズ化したように、フランス語の“noir=黒”だけでない、濃厚濃密な作品に仕上がってました。

 ウン! 広尾の珈琲屋カフェダングルのノアールコーヒーが飲みたくなりました。


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